シャドーバンキングへの依存強める中国の斜陽産業 – Newsweekjapan



 中国では、激しい逆風にさらされている産業が基盤を置く一部地域で、銀行の企業に対する貸出態度が厳しさを増し、これらの企業はいわゆる「影の銀行(シャドーバンキング)」に再び依存するしかない状況に追い込まれている──。ロイターが人民銀行(中央銀行)の統計を分析したところ、こうした構図が浮かび上がってきた。

 影の銀行は2014年に野放図な拡大を懸念した中国当局からいったん締め付けを受けた。しかし鉄鋼や石炭などが盛んないくつかの省では、足元でまた企業が伝統的な銀行よりもずっと高い金利で影の銀行から借り入れる傾向が鮮明だ。例えば重工業が活発な遼寧省においては、第1・四半期の影の銀行からの企業借入額は前年同期比で2000%を超える増加となった。同省内の資金調達額全体は前年同期から1%しか増えていない中で、調達先別で影の銀行の比重が19%を占めている。

 上海のある資産運用会社のディレクターは「経済のしくみがきちんとしており、とりわけ地方債市場を大いに利用できる地域は、影の銀行への回帰度合いはそれほど大きくない。だがより経済規模が小さく、貧しい地域は事情が異なる」と述べた。

 米国風には「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼べる地域で影の銀行からの借り入れが再度急増したのは、伝統的な銀行が長年培ってきた考え方を放棄していることの表れだ。つまり、国有企業(SOE)への融資は、地元政府がほぼ間違いなく救済してくれるのでリスクフリーとみなせるという認識は、捨て去られつつある。

 過去半年間で増え続けた社債のデフォルト(債務不履行)はSOEで、その多くは旧来型の産業に属している。

 またデフォルトの増加は、政府がこうした産業の過剰設備を整理しようとする取り組みの裏返しでもある。ただ、これらの産業に対する影の銀行の融資が裏付けとなる「理財商品」を個人投資家が購入することで、社債市場から個人投資家へとリスクの背負い手が移り変わるリスクが増大している。




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