楽観と悲観が入り混じる中国経済2017の行方 – 現代ビジネス



楽観と悲観が入り混じる中国経済2017の行方
債務リスクはいまだ「制御不能レベル」

中国経済に関してエコノミストらの間では悲観的な見方と楽観的な見方が入り混じっている。

悲観的な考えを持つ専門家は、過剰生産能力が解決されていないことや、不動産バブルの崩壊を懸念している。

一方、中国の経済指標を見ていると思ったほど悪くはない。9月以降、生産者物価指数(PPI)はプラス圏に浮上し、11月は前年同月比で3.3%上昇した。11月の輸出は8ヵ月ぶりに増加し、おおむね経済指標は改善傾向にある。

こうした見方を整理すると、短期的に中国経済は安定を維持する可能性はある。

一方、やや長めの視点で考えると、依然として不安定な部分は多い。特に、債務問題の動向には注意が必要だ。

米国の大統領選挙以降、多くの投資家が米国を中心に世界経済の先行きへの期待を高めてはいるものの、それが中国経済の底打ちにつながるわけではない。金利上昇を受けて中国での債務不履行(デフォルト)が増加するとの見方も増えており、中国経済の動向は慎重に見ていくべきだ。

財政頼みの中国経済

過去数年間、中国経済は不動産市場の上昇と財政出動を通したインフラ投資、減税に支えられてきた。

2014年秋、政府は不動産市場のテコ入れのために住宅ローンに関する規制を緩和した。それには住宅在庫を圧縮する目的もあったとみられる。この結果、主要70都市の住宅価格は急上昇し、投機資金の流入も巻き込んで不動産(住宅)バブルが発生してきた。

〔PHOTO〕gettyimages

バブルの発生を受けて、徐々に、融資に関する規制は強化され住宅価格の上昇には一服感が出始めている。

金融市場では不動産のバブルが崩壊し、不良債権が増加するとの懸念も高まり始めている。シャドーバンキング(影の銀行:正規の銀行システムを経由しない資金調達チャネル)による信用創造も急増している。中国の信用問題が再燃する可能性は否定できない。

その中でも中国の金融市場が大きな混乱に陥っていないのは、政府が財政出動を通してインフラや小型自動車向けの減税を実施してきたからだ。

2017年秋の党大会を経て2期目に入る習政権は、腐敗を正しつつ自らの政治手腕を誇示し、国内の政治基盤をより強固にしようとするだろう。そのために、財政出動を進め政府の計画に沿った成長率を実現していくことは不可欠だ。

2017年の経済政策を議論する中央経済工作会議では、積極的な財政運営の重要性が示された。また、2016年上期の成長率がマイナスに落ち込んだ中国東北地方の経済再生に向けた5ヵ年計画、幹線道路の延伸計画も発表されている。すでに小型自動車向けの減税措置の延長も決定された。

当面、中国経済は財政出動を通したインフラ投資などに支えられ、不安定さを抱えながらも小康状態というべき状況が続くだろう。

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