検察「証拠十分」立証に自信 朴前大統領聴取 「保守層のさらなる反発は必至」指摘も(西日本新聞)



 韓国検察は21日、朴槿恵(パククネ)前大統領の取り調べを実施した。一連の疑惑を集中捜査した特別検察官は親友の崔順実(チェスンシル)被告のほか、巨大財団トップ、側近の秘書官など13人を逮捕し、在宅を含め30人を起訴。捜査はついに“本丸”に迫った。今後の焦点は、朴氏が強く否認してきた収賄容疑の立証。検察が朴氏の逮捕状請求に踏み切るかどうかも注目される。

 大統領を罷免された朴氏に持ち上がった犯罪容疑は、強要や職権乱用、秘密漏えいなど13件に上る。ソウル中央地検は朴氏の取り調べで、サムスンから約束分を含め433億ウォン(約43億円)の賄賂を受け取ったとする収賄容疑を集中的に追及したとみられる。1億ウォン以上の賄賂犯罪で有罪になれば無期または懲役10年の重刑で、事件の背景にある韓国特有の「政経癒着」も断じることができるためだ。

 サムスングループの経営トップ、李在鎔(イジェヨン)被告の経営権掌握のために政府が便宜を図り、その見返りとして崔被告が支配する2財団などに資金を拠出させた。検察は朴氏と崔被告が家族のような「利益共有」の関係にあり、朴氏の収賄容疑の立証が可能と判断。財団を巡る朴氏の指示内容を記した前大統領府政策調整首席秘書官、安鍾範(アンジョンボム)被告の手帳など「証拠は十分にある」と自信を示す。

 一方、朴氏は2月末に憲法裁判所に提出した意見書で「個人的な利益追求のために大統領の権限を乱用、行使した事実はない」と強く否認。取り調べでも同様の供述をしているとみられる。韓国の弁護士は、40年来の朴氏と崔被告の関係性から「2人が利益共有関係にあるとの判断は妥当」との見方を示す一方、収賄容疑の立証は「朴氏が2財団が集めた資金の賄賂性をどう認識していたか、が鍵になる」と指摘する。

 検察は朴氏の聴取を踏まえ、逮捕状を請求するか、在宅起訴にとどめるかを判断する。5月9日の大統領選を控え、3月中には決着させたい意向だ。逃亡や証拠隠滅の可能性が低い朴氏の逮捕状請求に踏み切れば、朴氏を支持する保守層のさらなる反発は必至。事実上動き始めている大統領選に「検察が影響を与えたと非難される」(韓国国会関係者)との指摘もあり、慎重に判断するとみられる。

=2017/03/22付 西日本新聞朝刊=

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