(朝鮮日報日本語版) 【コラム】北朝鮮が核で西海を奇襲したら…(朝鮮日報日本語版)



 韓国はイスラエルがアラブ国家を相手にするように、なぜ北朝鮮を扱えないのかと話す人がいる。受難から得た武を尚(とうと)ぶ「尚武精神」、不屈の勇気、団結した国論――。アラブ国家に挟まれたイスラエルは半世紀以上、大国に挟まれた韓国の手本だった。ところが韓国は今、イスラエルのように変身した北朝鮮、アラブのように変身した自分たちと向き合っている。

 イスラエルは50年前、大変な行動に出た。シナイ半島、ゴラン高原、ヨルダン川西岸、ガザ地区に同時に進入した。地図を見ればどれだけ無謀な行動だったかが分かる。地中海沿岸のガザ地区を含め、エジプト、シリア、ヨルダンの領土を一挙に掌握した。ヨルダンは3日、エジプトは4日、シリアは5日で降伏した。当時イスラエルが占領した地域は元の領土の4倍に達した。

 この戦争が第3次中東戦争だ。第1、2次中東戦争とは性格がまるで異なった。第1次中東戦争はユダヤ国家を中東から消滅させようとしたアラブ連合軍が起こした。第2次中東戦争はエジプトによるスエズ運河国有化がきっかけだった。利権を握っていた欧州の有力国とともに戦った。第3次中東戦争はイスラエル単独でアラブ世界を相手に起こした戦争だった。国際社会から国際法違反で侵略行為だとの批判を受けた。ユダヤ人は好戦的な民族ではない。2000年近い放浪を通じ、抵抗は命を守るよりも命を奪う結果を招くことを体験から学んでいた。戦いよりも交渉を優先する民族だった。ナチスの大虐殺の際にもまともに抵抗できなかった。そんな国民がどんな度量でアラブを相手に暴挙に出たのか。

 イスラエルが核を完成させたのは1967年と推定される。イスラエルの核保有が既成事実になったのは70年代初めだ。第3次、第4次中東戦争はその間に起きた。核はイスラエルをならず者にした。中東戦争の性格も変化した。「ユダヤ国家を地図から消し去る」という目標も吹っ飛んだ。第4次中東戦争はアラブが奪われた領土を奪還するための限定戦争にすぎなかった。それも成功しなかった。守勢に追い込まれたイスラエルが核使用を準備したため、核戦争を懸念した米国が先端兵器でイスラエルを支援したためだ。アラブも核が怖くて前進できなかった。第4次中東戦争は核の脅威だけで従来の戦争の構図を変えられることを証明した。

 3年前に本紙国際部長として在任中、イスラエルの駐韓大使から抗議を受けた。中東特派員が書いた記事が理由だった。当時イスラエルはアラブ急進派が掌握したガザ地区を爆撃していた。イスラエル側の一部住民が丘に登り、まるで花火を楽しむかのように、破壊されるパレスチナの都市を眺めていたという記事だった。一種の娯楽で、もちろん一部の極端な人々の話だ。しかし、彼らにとって戦争は軽いものになってしまった。核のせいだ。いくらパレスチナを踏みにじってもアラブの兄弟たちは銃を手にして向かって来ない。イラクを空襲してもアラブは沈黙した。

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