(朝鮮日報日本語版) 【コラム】韓米FTA再交渉、韓国に戦略はあるのか(朝鮮日報日本語版)



 8月末にソウルで行われた韓米の自由貿易協定(FTA)第1回特別共同委員会を終えた金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長の表情は満足げだった。米国から韓米FTA改定に関する正式な要請があったが、金本部長は「同意しなかった」とし、「双方による合意が必要だ」と堂々と語った。国会常任委員会でも同様の趣旨で答弁した。通商当局者は「第1ラウンドは判定勝ちだった」と自慢した。

 そのプライドは約1カ月で破られた。秋夕(中秋節)連休に敵陣ワシントンに乗り込んだ第2回特別共同委員会では結局、米国の要求通りに再交渉開始の手続きを踏むことを決めたからだ。結果論かもしれないが、「韓国政府は米国が再交渉に乗り出した動機や理由を洞察できなかった」「米国は既に再交渉を前提としており、それを貫徹するために『FTA破棄』という脅しをかけてきた」といった分析が説得力を得ている。

 トランプ米大統領が30年前に著した「取引の技術」(The Art of the deal)という本を見れば分かる。トランプ大統領が取引を成功させる方式は簡単ではっきりしている。目標を高く設定し、それを達成するために前進を繰り返す。交渉原則は「相手が平静を失うようにする」「交渉ペースを速めたければ冷淡な態度を見せる」という点が強調されている。

 トランプ氏は1987年、プライベートジェットに使うため、ボーイング727型機の商談を進めた。新型ならば3000万ドルは下らない。しかし、トランプ氏は同型機の処分を急ぐ売却案件が出ると、売り手の立場を逆手に取り、交渉で500万ドルという値段を提示した。とんでもない安値だったが、相手は1000万ドルは欲しいと粘ったものの、結局800万ドルで売却に応じた。トランプ氏は「物事を成功させる最後の鍵は若干の虚勢だ」と書いた。「トランプ一族(The Trumps)」を書いた伝記作家、グウェンダ・ブレア氏はトランプ氏の特徴を「図々しくなることをためらうな」「大風呂敷を広げろ」とう方針に要約した。米国ではトランプ氏を「ナルシスト」と分類している。ナルシストは本能と六感を信じるので、誰が何と言おうと我が道を行く。他人の言葉は気にも留めない。

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