(朝鮮日報日本語版) 【コラム】「積弊清算」の韓国政治こそ清算すべきだ(朝鮮日報日本語版)



 朴槿恵(パク・クンへ)前大統領が、任期1年目の2013年半ばに秘書室長を許泰烈(ホ・テヨル)氏から金淇春(キム・ギチュン)氏に交代させて「非正常の正常化」を持ち出したとき、政治スローガンとしては悪くないと思った。改革や改造といったアグレッシブな言葉を使わなくても、世の中を変えていく多くのことに適用できそうだった。しかし、それが朴政権特有の二分法的思考方式に由来するもので、しかも最高権力者が何かにつけて正常と非正常の弁別に乗り出すということがどれほど危険か悟るのに、長くはかからなかった。

 朴・前大統領は、旅客船セウォル号の惨事から1カ月ほどたった14年5月には「積弊清算」と「国家改造」を掲げた。「『仲間同士で』文化や官民癒着という慣行がどれほど大きな災厄を呼びかねないか…」としてその表現を使った。ところが「積弊」は、朴・前大統領が望むほどには清算されず、むしろ、やいばとなって前大統領に返ってきた。朴・前大統領自身が、およそ2年後に清算の対象とされるだろうとは、夢にも思わなかっただろう。政治の虚妄、かくのごとしだ。

 このごろは、文字通り「積弊清算党」の全盛期だ。最大野党「共に民主党」の支持率が50%まで跳ね上がり、先頭に立って積弊清算を叫ぶ文在寅(ムン・ジェイン)元代表は揺るぎもしない船頭だ。ろうそく集会から始まった言葉が政界に飛び火し、今や野党の側では神聖不可侵の領域にまで昇格した。前政権のやったことは全て積弊。安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事は「大連立」を唱えたが「ひとまず積弊清算からやって…」という一言で遮られた。

 実のところあいまいなのは、その積弊というものの正体だ。漠然としたイメージがあるだけで、具体的な内容が分からない。民主党議員に「清算したいという積弊は何だと思うか」と尋ねた。ある人は政経癒着、民主主義退行といったものを挙げた。別の議員は「反則と特権、不当な既得権全体」と言った。さらに別の議員は、韓国社会に根深い親日と独裁の遺産だと言った。それが何なのか再度尋ねると「さて、そう言われると、返す言葉がない」と答えた。

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