(朝鮮日報日本語版) 旅客船沈没:セウォル号引き揚げ作業、なぜ中国企業が選ばれたのか(朝鮮日報日本語版)



 2014年4月に韓国南西部の珍島沖に沈没した旅客船セウォル号が、事故から約3年ぶりとなる23日に引き揚げられ、水面上に船体の一部が姿を現した。しかし韓国政府が国際入札を通じて引き揚げ担当企業に選んだ中国企業「上海サルベージ」について、技術力・経験不足を指摘する声や、海洋大国・韓国で発生した海洋事故になぜ中国企業を選定したのかという疑問の声が上がっている。上海サルベージは1951年に設立された中国国営企業で、潜水士など災害救助分野の専門的人材1400人を抱える大規模な海難救助企業で、年間売上は約3000億ウォン(約300億円)に達する。

 海洋水産部(省に相当)は、セウォル号引き揚げのために2015年8月4日に国際入札を実施。計27の企業が七つのコンソーシアムを構成して激しい争いを繰り広げ、韓国の海底ケーブル企業「オーシャンC&I」と組んだ上海サルベージ中心のコンソーシアムが最終的に選定された。当時、セウォル号引き揚げ推進団長のヨン・ヨンジン氏は「(上海サルベージが)引き揚げに十分な技術力を有していると確信し、契約条件も円満に合意に至ったため、引き揚げ企業に確定した」と説明した。

 海洋水産部は上海サルベージと851億ウォン(約85億円)で契約を結び、上海サルベージは引き揚げ過程で発生する事故について全ての損害を賠償することになった。契約金は、3段階にわたる引き揚げ過程の1段階完了ごとに支払われることになっている。

 入札時、上海サルベージは▲1900件以上の船舶救助作業▲1000件以上の残骸除去作業▲2万トンの海上流出原油の除去―などの実績があるとされていた。2002年1月には水深58.2メートルの海底から1万3675トンの貨物船を引き揚げたほか、15年7月には中国の揚子江で沈没した遊覧船「東方之星」号の引き揚げ作業にも従事した。

 それでも上海サルベージによるセウォル号引き揚げ作業は困難を極めた。沈没地点は孟骨水道という強い潮流が流れる地域として知られる上、船体が全長150メートルを超えるからだ。上海サルベージは当初、セウォル号の内部タンクに空気を入れると同時にエアバッグなどを船体外部に設置して浮力を確保し、海上のクレーンによって引き揚げる「フローティングドック」方式で作業を進めていたが、作業が難航し、技術力をめぐって疑問の声が上がっていた。

 セウォル号の船体引き揚げを請け負った上海サルベージは昨年11月、引き揚げ方法を「タンデム・リフティング」に変更した。これはクレーンのかわりに、船体の下に設置したリフティングビームを引っ張り上げ、沈船の船体を半潜水式の重量物運搬船に載せるやり方だ。海洋水産部(省に相当)は、22日午前10時にまず試験引き揚げを始め、同日午後8時50分、本格的なセウォル号船体引き揚げに着手した。セウォル号が姿を現したのは翌23日。当初の計画より7カ月遅く、2014年4月16日にセウォル号が沈没してから1073日ぶりとなる。

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